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「夕焼けこやけの 赤とんぼ 負われてみたは いつの日か

山の畑の 桑の実を 小籠に摘んだは まぼろしか

十五でねえやは 嫁に行き お里の便りも 絶え果てた・・・」


先日。ある場所で、ご老人のみなさまとオカリナの演奏に合わせてこの歌を歌いました。

「夕焼けこやけの 赤とんぼ 追われてみたは いつの日か」
たったこれだけの歌詞。
情景をつぶやく、その行間に載った想いを垣間見る。

美しい歌だなぁ。とぼんやり。



俳人 小沢藪柑子さんの初めての句集がフランス堂という出版社から出されました。

そして、その記念すべき句集を、「棘に」と贈ってくださいました。

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モノクロに薄紙をまいた装丁はまさに表紙にふさわしく、なんのイメージも固定しない。
そして、そこになんの飾り毛もない文字で書かれた「商船旗」というタイトル。
急に思い浮ぶのは、光る海にパタパタと音をたててなびくにぎやかな旗。

余白の多い白い紙とインクの黒だけなのだけれど、
そのなかに賑やかな色のいろいろ、想いのいろいろが詰まっている。
身に寄り添った植物や自然現象の、その時々の様々。
そして、30年という時間のライフステージの様々を切り取った短い言葉。

俳句の潔さは、心を絡め取られたある瞬間を、本当にその「瞬間」を体感できる文学で、
それは瞬間であるからして何の説明も、後付けの感慨もなく、
ただ目の前のものに心が動いたことだけが綴られているのでしょう。

その瞬間だけを文字に載せる俳句というもの、
上述した赤とんぼと同様、この句集の装丁同様、最低限の事実から受け取り手が豊かなものを拡げていく。
受け取り手が拡げるからこそ、それは無限に広く深く拡がっていくことができる。

そう思うと究極の手法だなぁ…なんて。


今まで恥ずかしながら俳句というもの、句集というものを味わってみたことがなかったので、
それは本当に驚く出来事でした。


句集「商船旗」におさめられた句の中で、
 
   竜胆をきつく束ねて濃紫

という句は、棘で読まれ、棘にささげられた句だそうです。
竜胆(リンドウ)の濃い紫から、同時にこの建物の濃い茶も思い浮かび、
ここの空気をキリリと引き締める緊張感や澄んだ空気、そんなものが感じられ、
とっても感謝です。

他に、私の気に入った句をいくつか


  春雨が窓を濡らしてゆく早さ

  会議から会議へ移り日脚伸ぶ

  すこしづつ話し大げさスキー宿

  十薬の十の形のただ白し
                などなど


でも、気に入った句、ということではなく、
この句集全体を味わうのが。
一句一句味わっては顔をあげ、そしてまた違う日にパラりと味わうとか。

小沢藪柑子さんの句集「商船旗」
棘のライブラリーに並べておきます。
よかったらこの世界を覗いてみてください。
そしてお手元に欲しい方はご相談くださいね。
そして、棘のお庭を眺めながら詠んで見るのも楽しいかもしれません。



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ご本人も、フラリフラリと風や木々と語らっているような、とってもとってもステキな方です。


藪柑子さんのブログ  やぶろぐ


藪柑子 ってどんな植物だろうって思っていたら、十両の別名でした。
花言葉は「明日の幸福」ですって。
ひっそりとひっそりとある「明日の幸福」。

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ランチのお品書きをはさむものをデビューさせました。

手作りで非常に手がかかるため、今のところ一つだけ。
お見せして、読んでもらったらすぐに下げるという…(笑)。
暇を見つけてこつこつあと4つ作っていこうと思っています。

そのなかに、棘のこだわりをちょこっと書いてみました。 

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棘のお料理ってどんなお料理なんだろう。
なんでオーガニックの玄米菜食を出しているのだろう。

それを、ちょっと知ってもらったならば、もっと伝わるものがあるかな、なんて思って。
ランチの時にはほとんどキッチンに籠りっぱなしで、なかなかゆっくりお客さんとお話しすることもできないもので…。

その文章をここでもご紹介。



棘のこだわり

棘のお料理は、できる限り近郊でとれた無農薬・有機のものを使った
玄米とお野菜のみのお料理です。
(おだしや調味料も、動物性は使っていません。)

肉や魚がいけないということではなく、ここではね、
お野菜だけのお料理を食べてみてください。
そのお野菜たちの持つ個性。色、形、食感、味…
そのさまざまな深い世界に目をとめてみてください。

動物性の入らないお料理は、身体にす~っとなじんで、体のあちこちが弾けるような
清々しい力がわいてきます。

食事とは、命をいただき命をつなぐこと。

生産という目的のために徹底的にコントロールされた畑で育ったお野菜は、
既に生き抜く力を持った命とはいえないかもしれません。

身土不二 一物全体

元気な野菜をいただいて元気な命を。
この古いおうちの光や木の中で
大好きな人と語らい笑いあいながら

棘主



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お野菜を届けていただいている先の一つ、やさい安心クラブさん。
もともと名大生のベンチャーで、
主に自家農場と常滑の有機農家さんのお野菜を集めて移動販売をしている会社です。

オープン前に、取引をお願いしたいとご連絡をして、初めてお会いしてお話しを聞いた時、
その溌剌とみなぎるエネルギーにこちらまで熱くなりました。

~(前略)今全国で農家さんは250万人くらいなんですけど、半分以上が65歳以上。
だから10年後には100万人くらいに減ってしまうだろうって言われているんです。
 僕たちは、その後継者不足問題に、学生を巻き込んでいきたいなって思ってるんです。
 人文(学部)とか社会(学部)の子たちって、すごく真剣に飢餓とか格差とか、フェアトレードとかについて考えてるんですよ。彼らを巻き込んで、農地はいっぱい余ってるんだから、一度農業やってみろと。
そうしたら見えてくることもいっぱいあるし、安心なもの作ってくれたら俺らがきっちり流通に乗せてやると。
 今の農家さんが250万人だとして、学生なんて本当何100万人もいますからね。
 そうしたら結構いいんじゃないかって思ってるんです。(後略)~

 とっても面白い話。

 無農薬、有機をひろげていくのに、今の農家さんが変わっていくことも素敵だけれど、農に携わっている人の絶対数が少ないのだからこれをどう広げていくのか。

 はじめて社会を覆っている問題を意識し始め、純粋に何とかしなければと思う10代の学生。
これから自分がどう生きて社会とかかわっていくかを決める時期の彼らにアプローチする。
彼らに農に実際に関わってもらったら、確実に未来が変わっていく。

 今いる有機農家さんのためや、安心して暮らしたいと思っている消費者のためだけじゃなく、
「未来」に目を向けている。食育なんかで小さい子供に農にふれあってもらうなんてのはあるけれど、大学生というこれまた大切な年代に、経済的な側面も抑えつつ働きかけていく。学生ベンチャーならではの新しくて面白い発想だと思いました。


 自家農場と、近隣の農家さんとで作られた野菜を、移動販売を中心に対面で届けることを大切にしていると。
なので、棘に届けてくれるお野菜も、あらかじめ注文したものを届けてもらうのではなく、
その日にとれたものをごっそり車に乗せて持って来てくれて、
それを実際に見ながら選んで買っています。

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 毎週土曜日の午後2時

棘の店先でおいしくて安全なお野菜を広げてくれて、一般のお客さんも同様に買っていただけます。

みなさまぜひぜひ。
お野菜だけでも買いに立ち寄ってくださいね。

形は不格好なものも多いけれど、どれも勢いがあって味が濃い。
そして、スーパーのオーガニックのものと比べて安い。

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ぜひぜひぜひ。


春になったら、常滑の農家さんのところにも実際に行ってみたいな。
そして、これから野菜だけじゃなく、彼らのそんな「未来」に根差した取り組みに一緒にかかわっていけたらと、楽しみに思っています。


 やさい安心クラブHP











 「心を届けに」とタイトルのつけられたCDを大切に抱えて、彼女は初めて棘の玄関をくぐりました。

 昨年まで穂高養生園で働いていた、岸すみこさんです。

 あの場所で長く働いていた彼女は、間違いなくあの場所を構成する要素の一つでした。

 お野菜の甘みをじっくり引き出すそのお料理、そして、音楽。

 穂高の森で暮らしながら受け取った言葉にならない様々を、彼女は音にしてピアノを鳴らします。
それはとっても澄んで、まっすぐで、力強い。

 いうまでもなく、長野の光は名古屋とは全然違うものです。
ただただべったりじっとりと暑い名古屋の夏に比べて、長野の日差しのまぶしいこと。
そして、木陰に入るとひんやりと息がつけます。
その光や空気のどこまでも通り抜けていく感じが、彼女の奏でるピアノの音から存分に伝わってきます。

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(うちの家族が養生園にが泊まりに来てくれた時、お願いしてピアノを弾いてもらったときの懐かしい写真。本当に気持ちのいい朝でした。)


 私より年上の彼女ですが、本当に本当に少女のような人で、
まっすぐで一生懸命。
そのひたむきさも同時に伝わる・・・音ってもうその人そのものが出ますね。


 養生園を中心に演奏会を開いていた彼女ですが、そのスタイルは本当に特別なものです。

 例えばある会では、
集まった方々に何か最近のことや、今心に浮かんだこと、などを一言づつ話してもらう。
そうして、その中から彼女が心にとまったどれかを選んで、
そして、
そして、
ゆっくりと目を閉じた後、即興でピアノを鳴らし始めます。

 それは話してくれたそのエピソードに対する彼女の答え。いや、応え。かな。

 音で返してもらった参加者は、またその音を聞いて感じたことを口にする。

 もうそれは、本当の意味での音でのコミュニケーションそのものなのです。

 キャンドルだけがともる部屋で、目を閉じて、またあるいはごろりと横になって、
音の世界に身をゆだねる。そんな特別な演奏会を何度も重ねてきました。


 そんな彼女が、昨年念願のピアノアルバムを制作しました。

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(ジャケットの写真は彼女が撮ったもの。表は養生園ハーブガーデンのドッグローズ、裏は原生林の木漏れ日。)



 想いをこめて作った曲、または即興演奏をそのまま収録した曲、
そのどれもが穂高のきらめきや、彼女の澄んだ想いが溢れています。



 
 棘に遊びに来てくれた日。
実は私は前日に雪道で軽い事故をしてしまい、ちょっと心が落ち着かない状態。
朝、オープン前、なんとかお料理に気持ちを向けなくちゃ、と思っている時、彼女がピアノを弾いてくれました。

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 力強くて美しい音色は、私の緊張をすっかりほどいてくれました。
音楽って・・・スゴイ。

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 そのまま彼女はお知り合いと棘で待ち合わせをして、ランチをしていってくれたのですが、他のお客さんに彼女をご紹介したら、ぜひピアノを弾いて欲しいということになり、彼女も快く受けてくれ、突然のミニミニ演奏会。

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 誰もいない空間とはまた別の、受け取り手がたくさんいる中での演奏は、空気に、じゃなく、人に響いていくような、そんな響き方をしていました。


 今は大阪に住む彼女のいいタイミングで、ぜひ棘でもそんな特別な演奏会ができたらなと思っています。

 彼女のCD「心を届けに」は、棘で販売しています。
視聴もしていただけますので、ぜひぜひお声をかけてくださいね。



 昨年秋の養生園で行われたチャリティ演奏会















 
 長野県大鹿村から美味しい野菜がたくさん届きました。

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大鹿村といえば、土に根ざした面白い人たちのたくさん移住している村。と聞きます。

ここの長瀬さんという有機農家さんのそれはそれは立派なニンジン。

早速今日のお客さんに塩もみして少しお出ししました。

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本当に驚くほどに甘いです。
普通、味が濃いというと人参特有のあの感じも強く、それはそれでおいしいのですが、
このニンジンに関しては、癖が少なくてまるでスイーツのようなフレッシュな甘さです。

これを使ってどんなお料理しようかな。
早速明日のお料理教室のレシピにもニンジンを使ったものがありますし、楽しみ楽しみ。

週末の宮城愛ちゃんのライヴの時にもこれで何かお出ししたり、宮城家の皆さんにもふるまえたりと思うとこれまた、楽しみ楽しみ。

 
たくさん届いたこのニンジン、店頭でも少し販売することにしました。
100gで70円!ととってもお得です。

早い者勝ちですのでぜひ手に取りにいらしてくださいね。




日本で最も美しい村、中川村のこと。
もう少し。


「夕食はタケちゃんとこで食べよう」
といって、連れて行ってもらったのは、信州で広く活動しているアフリカン太鼓&ダンスのグループ、サブニュマのリーダー、タケちゃんのおうち。
私も何度かお会いしたことはあります。
同じ中川村のタケちゃんのおうちにはいつもいろんな人が集まっているのだとか。

先日養生園でもワークショップを行ったサブニュマ。
私もあちこちで何度か観たことがありますが、そのパフォーマンスは本当に体中に響いて大切な何かを揺さぶる圧倒的なものです。
そして、タケちゃんの言葉、声、瞳の強さ。

 養生園、サブニュマワークショップ告知記事  





 この日は、サブニュマのほかにやっているアフリカンバンド、サバカンの練習日でした。
夕食の冷やし中華をみんなで食べた後、サバカンの練習を見学させてもらいました。

サブニュマとはまた違ったタケちゃんの歌、そしてコーラス、リズム。
温かくて温かくて。
胸にじんわりとこみ上げてきてしまいました。

もうすぐ二人目の子供が生まれるタケちゃん。
傍らで体を横たえている奥さんのサヤカちゃん。
メンバーは小さな赤ん坊をタオルケットに寝かし、赤ちゃんが寝てしまったのを確認してから力強いダンスとコーラスに参加して。

 「~すべての命は宝物 全ての命は宝物~」

繰り返されることば。

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タイミングを見て、「そろそろ帰りますね」と小さく挨拶すると、
みんなみんな満面の笑顔で「ありがとう!またきてね!」っと。

そして、私をぐるりと取り囲んで太鼓を鳴らし、アフリカの言葉で歌を歌い、
そしてそして、「ミワちゃん来てくれてありがとう~ミワちゃんの笑顔はひまわり。太陽~」と。
歌ってくれました。

世界をダンスして廻ってるというものすごくチャーミングな女の子が横から飛び出してきて、
びっくりするほどしなやかで躍動的なダンスを踊って見せてくれた。

まさにアフリカンダンスそのものだって、ほんとうに思いました。

アフリカンダンスは、癒しそのもの。
病気の人があれば、村中みんなでその人のおうちに行って歌い踊る。
リズムと祈りが病気を治していくのだとか。
作物の収穫の時にも、みんなで歌い踊る。
神様に感謝をささげる意味で。


本物のアフリカンダンスをみました。感じました。


中川村。

間違いなく「日本で最も美しい村」です。



*追記の追記

中川村は山間のホントに小さな田舎町なのですが、美味しい自家焙煎コーヒーが飲めるということで連れて行ってもらいました。
「おしゃれなとこやで」と、車をとめた、のは、よくあるスーパー。
なんですが、このよくあるスーパーの一角に、この村から想像される以上のステキなお店があったので(悪い意味じゃなく、都会的という意味で)びっくりしました。
コーヒーもとってもおいしい。

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このスーパーの広場のようなところには、先日のお祭りの様子がパネルとビデオで紹介されていました。
中川村は、先の震災で全村避難を強いられている福島県飯館村をご招待して、過ごしていただいたのだそうです。
主に子供づれが60人以上。バスでやって来てくださって、自然の中思いっきり夏を駆け回ってもらったのだとか。
そして、お祭りでは一緒に踊り、みこしを担ぎ。

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飯館村村長の講演を聴きに行ったチカちゃんは、恨みごとも泣き言も一切言わず、未来だけを見て、これから素晴らしい村になる今がチャンスと話す村長の頼もしい輝きに、本当に驚嘆したのだとか。
そして、講演を聴きに集まった中川村や周辺のおっちゃんたちはみんな涙をぬぐっていたと。


「中川村に越してきて、なんか家族がいっぱいおるみたいな、ものすごく安心感があってな、
毎日がホントに幸せやねん。」
しみじみ語るチカちゃん。

中川村…。
そんな村です。