「心を届けに」とタイトルのつけられたCDを大切に抱えて、彼女は初めて棘の玄関をくぐりました。

 昨年まで穂高養生園で働いていた、岸すみこさんです。

 あの場所で長く働いていた彼女は、間違いなくあの場所を構成する要素の一つでした。

 お野菜の甘みをじっくり引き出すそのお料理、そして、音楽。

 穂高の森で暮らしながら受け取った言葉にならない様々を、彼女は音にしてピアノを鳴らします。
それはとっても澄んで、まっすぐで、力強い。

 いうまでもなく、長野の光は名古屋とは全然違うものです。
ただただべったりじっとりと暑い名古屋の夏に比べて、長野の日差しのまぶしいこと。
そして、木陰に入るとひんやりと息がつけます。
その光や空気のどこまでも通り抜けていく感じが、彼女の奏でるピアノの音から存分に伝わってきます。

     2010_0610_114243-DSCF0116_convert_20120206223616.jpg
(うちの家族が養生園にが泊まりに来てくれた時、お願いしてピアノを弾いてもらったときの懐かしい写真。本当に気持ちのいい朝でした。)


 私より年上の彼女ですが、本当に本当に少女のような人で、
まっすぐで一生懸命。
そのひたむきさも同時に伝わる・・・音ってもうその人そのものが出ますね。


 養生園を中心に演奏会を開いていた彼女ですが、そのスタイルは本当に特別なものです。

 例えばある会では、
集まった方々に何か最近のことや、今心に浮かんだこと、などを一言づつ話してもらう。
そうして、その中から彼女が心にとまったどれかを選んで、
そして、
そして、
ゆっくりと目を閉じた後、即興でピアノを鳴らし始めます。

 それは話してくれたそのエピソードに対する彼女の答え。いや、応え。かな。

 音で返してもらった参加者は、またその音を聞いて感じたことを口にする。

 もうそれは、本当の意味での音でのコミュニケーションそのものなのです。

 キャンドルだけがともる部屋で、目を閉じて、またあるいはごろりと横になって、
音の世界に身をゆだねる。そんな特別な演奏会を何度も重ねてきました。


 そんな彼女が、昨年念願のピアノアルバムを制作しました。

     DSCN0077_convert_20120206222122.jpg

     DSCN0075_convert_20120206222159.jpg
(ジャケットの写真は彼女が撮ったもの。表は養生園ハーブガーデンのドッグローズ、裏は原生林の木漏れ日。)



 想いをこめて作った曲、または即興演奏をそのまま収録した曲、
そのどれもが穂高のきらめきや、彼女の澄んだ想いが溢れています。



 
 棘に遊びに来てくれた日。
実は私は前日に雪道で軽い事故をしてしまい、ちょっと心が落ち着かない状態。
朝、オープン前、なんとかお料理に気持ちを向けなくちゃ、と思っている時、彼女がピアノを弾いてくれました。

     DSCN0063_convert_20120206221922.jpg


 力強くて美しい音色は、私の緊張をすっかりほどいてくれました。
音楽って・・・スゴイ。

     IMG_0151_convert_20120204230811.jpg



 そのまま彼女はお知り合いと棘で待ち合わせをして、ランチをしていってくれたのですが、他のお客さんに彼女をご紹介したら、ぜひピアノを弾いて欲しいということになり、彼女も快く受けてくれ、突然のミニミニ演奏会。

     DSCN0066_convert_20120206222005.jpg

     DSCN0067_convert_20120206222043.jpg


 誰もいない空間とはまた別の、受け取り手がたくさんいる中での演奏は、空気に、じゃなく、人に響いていくような、そんな響き方をしていました。


 今は大阪に住む彼女のいいタイミングで、ぜひ棘でもそんな特別な演奏会ができたらなと思っています。

 彼女のCD「心を届けに」は、棘で販売しています。
視聴もしていただけますので、ぜひぜひお声をかけてくださいね。



 昨年秋の養生園で行われたチャリティ演奏会















 
スポンサーサイト
  
コメント
コメントする












 管理者にだけ表示を許可する?

トラックバック
トラックバックURL
→http://yakusoulabotoge.blog90.fc2.com/tb.php/97-d553148d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)