9/18 漂いの調べ

↑photo by 篠原智之
私たちの瞳が、脳が、経験が、
分かりやすく見せている世界を超えて、奥の奥へ。
音、薫り、炎の揺らぎと揺れる影、
暮れゆく刻の速度の速さ、
それらを丁寧に丁寧に重ね合わせることで、
初めて姿をあらわす世界へ。
西森さんの奏でる音は、曲であるけど曲ではなく、
歌と伴奏というのではなく、
体内を確実に揺らすピアノという豊かな楽器の音色と、
ヒトという、制約を抱えた存在の放つ声という音色と、
それらが不思議な化学変化を起こすようです。
漂い -- ただ、良い
奏でられる音は私たちを誘い、そして、ヒトである哀しさを赦してくれる。
音に身を浸し、
薫りを感じ、
各々の内側を慰める香り(香水)を作り、
その頃いつの間にすっかりと日が暮れていて、
おもむろに灯されるキャンドル、
切り絵の影の表情が変わる。
そして再び音に誘われる。
素晴らしい刻になりました。

漂いの調べの音をイメージして作ったお茶のブレンドは、
ジャスミン
カモミール
マーシュマロウ
エルダーフラワー
柔らかく柔らかく、
そして軽やかに許されて浮かんでいくような。

そしてマロウとジャスミンの冷たいデザート。
移りゆくマロウの青を閉じ込めたかったけれど、
やっぱり移ろっていってしまう。
ほんのり赤紫のゼリーに。
あぁ、
時を止めることはできないし、瞬間で定義してしまうことなんて何もできないんだ、と、
おやつを作りながらすでに始まっていました。
Masaqi さんも、漂いの調べをイメージしたオリジナルキャンドルを。
心の内面が混ざり合ったような色合いが四角に閉じ込められて、
3つの炎で解き放たれる。
どんな想いが込められていたのかな。

そして、いわまともこさんによる切り絵モビール。
旧暦七夕、星を見上げるような。
あちらの世界と影が通じるような。
打ち合わせでカササギ と名前が出て、銀河鉄道の夜をお互い思い浮かべていたのですが、
それを知らないはずの西森さんが、流れる奏での途中に、宮沢賢治の星めぐりの歌を歌われて、
あぁ…となりました。

お越し下さったみなさま。
西森さん、masaqiさん、いわまさん。
そして、大阪から駆けつけてくださいました、
イメージphotoを快く引き受けてくださった、写真家、卉奏の篠原さん。
ありがとうございました。
モビールはそのまま棘でお預かりして、販売しております。
ぜひ揺れる姿を見にいらしてください。
そして、イベントのために書き下ろされた、西森千明さんの「漂いの調べ」
西森さんのHPでしばらく全曲聴いていただけるそうです。
当日録音されたものです。
こちらからどうぞ。
http://chiaki-nishimori.info/archives/1319



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