先日、10/14に、菊の節句を楽しむ会が行われました。

旧暦9月9日は重陽の節句。菊を楽しむのが習わしなので、菊の節句とも呼ばれています。
5月5日の端午の節句、7月7日の七夕などと比べて現在ではあまりなじみのなくなってしまったお節句です。
でも、だからこそ、あらかじめのイメージが固定されてしまっているお祭り色の強い他の節句よりも、より生活の中で節句というものを味わうことができるんじゃないか。
そんなふうに思い、
旧暦や日本古来の暮らし方を楽しんでいるトモミさんとエリさんのお二人を主催にお迎えして、この会を催すことにしました。

 私は20代の半ばで着物が好きになり、それに伴って江戸の暮らし方に憧れ、
寂しいことに亡くなってしまわれた、杉浦日向子さんの本などをずいぶん読んではぼんやりと思いを馳せる頃がありました。
そして江戸へのあこがれは今も変わっていません。

江戸は、当時世界最大の都市でありながら、上水道が完備され、排泄物は即刻農家などに運ばれ、ペストなどが猛威をふるったヨーロッパの都市に比べて外国人の誰もが驚くほどに清潔で、古物や修理が当たり前で、完全自然エネルギー(つまり人力)で、買い物はあらゆるものが行商で流していたので、体が不自由でもおうちにいながらいろいろなものが手に入り、近隣で助け合い、度重なる江戸中が焼けるほどの火事で「家も物も持たない」シンプルなたくましい暮らしが確立され、
歌舞伎や着物のオシャレや高い文化レベルがあり、宵越しの金は持たねえという粋に貫かれた、それはそれは洗練され都市だったのだそうです。

そして、日本の繊細な四季の変化を織り込んだ、美しい旧暦があるのです。

今、江戸にもどることはできないけれど、こんなに素晴らしい文化を捨て去ってしまうのではなく、少し意識してみることで、だいぶ狂ってしまった現代のいろいろを取り戻す、何か大切なカギがあるんじゃないかってそう思っています。



会は、総合プロデュースでテーブルコーディネイトやお部屋のしつらいを担当してくださったトモミさん。
そして、和歌が好きで、季節を盛り込んだ和歌や古来のお話しを担当してくださったエリさん。
そして、菊にちなんだお茶を選んで煎れてくださったのは、日本茶インストラクターで、Sachiブランドのサチさん。
そして棘の私はお料理とお菓子を担当しました。


まずは、ご予約いただいた方に、和歌の上の句の書かれたご招待状をお送りしました。

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そして当日、この招待状を持って、記された自分の席に着席し、テーブルに置かれたお品書きの上に重ねると、
上の句と下の句が揃う、という仕掛け。
この句はお一人ずつ違っていて、
それぞれ参加された方のお名前などにちなんだ和歌をエリさんが選んでくださったのです。


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始まりのご挨拶のあと、
自己紹介。
その時に、それぞれに送られた句の意味を、エリさんが解説してくださいました。
自分だけに送られた自分の文字の入った句。
みなさんうれしくて、顔がほぉっと輝いていました。


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まずは食前の菊のお酒と、お干菓子を。

そして軽いお食事をお出ししました。


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今回は、三点盛で
 
  菊菜とシメジのスダチ和え
  さつま芋の茶巾
  紅葉の寒天寄せ
そして
  栗ごはん
  レンコン団子と白玉のすまし

にしました。秋の味覚です。

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テーブルに置かれたグラスに入った茶葉。
これはサチさんのセレクトされたもので、
「くきをきく」という言葉が添えられています。
茎茶の茎を、菊を逆に読んだのにかけてあるのです。

これをまず茶葉の香りを楽しんでいただいた後、
お水を注いで水出しにします。
これをお食事の時のお茶にされました。
お茶は作法が…と構えてしまわれる方が多いけれど、おいしく楽しくが一番。
こんなラフなのもありなんですよ、とサチさん。


お食事の後は、
サチさんのお手前でお煎茶を入れていただきました。
今回は朝宮というもので、たまたま品評会に出された茶葉が少しだけいただけたのでと、それも少し加えてくださいました。
一煎目、二煎目、三煎目・・・
味の違いをじっくり味わっていただきます。


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この時の器ですが、
実は、あらかじめ招待状に
「あなたの思い入れのある器をお持ちください」とありました。
それでみなさん大事な器をもってきてくださったのを、それをこちらで入れ替えて、
ご自分の以外の、誰かほかの方の大事な器でいただく。というステキな試みだったのです。

お茶をいただきながら、なぜその器を持ってこられたのか思いを話していただきました。
「誰の作かは分からにのだけど、形がとっても好きで気に入っているので…」
「いつも職場で使っているカップ。みんなタンブラーが多いけど、私はカップで飲みたいから。それをたまにはこういうゆったりした空間に連れてきてあげたかった」
「たまたま行った展示会で一目ぼれして」
などなど。

世の中にはたくさんの形をしたたくさんの器があって、
それらはそれぞれかけがえなく、誰かの愛情がこもっている。
何だかみなさんのお話しを聴きながらじんわりしてしまいました。


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最後はお土産に、
私の信州のお土産の食用のほうづきと、
サチさんからお茶をお渡しして、会はお開きになりました。


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菊という、この時期どこにでもあるもの。
それをテーマに、
本当に身近なものだけでこれだけ豊かな時間が持てるということに、私はとっても感動していました。
日本の四季や、身の回りの自然に丁寧に目を凝らし、心を遣るだけで、
暮らしはどれだけでも深くなり、
愛おしいものになる。


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またぜひ、
お節句の会を開催したいと思います。

ご参加くださったみなさんありがとうございました。
トモミさん、エリさん、サチさん、そして裏方を一手に引き受けてくれたヒロくん。
どうもありがとうございました。


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